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研究:
階段の上り下りの、装置を使った生体力学解析



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根拠

階段の上り下りや歩行は筋肉・骨格系の重要な日常の機能です。歩行障害のある患者はうまく歩ける状態であっても、階段の上り下りなど通常より多くの労力を要するときでは機能の欠損が明らかです。このプロジェクトの目的は、階段の上り下りの移動運動のパターンを、特に適応と代償メカニズムに注目して解析することにあります。



方法

確立されている歩行レベルの測定手法を使って、階段の上り下りを測定しました。この方法には運動力学(VICON)、動力学(地面反発力、階段に埋めた2個の力点プレートを使用)、下肢の主要筋肉の動的EMGパターンが含まれています。回転台装置(RP)と後十字靱帯(PCL)を付けた被験者と半月ベアリング装置(MB)と後十字靱帯を付けた患者を含め、合計20名の健常者と25名の患者を対象に、実験用階段の3段階の傾斜について手術後2年から5年間にわたり試験を行いました。




結果

ごくわずかな例外もありましたが、患者は術後の歩行パターンは健常者とほぼ同じ位良好な結果を得られ、垂直地面反発力は同年齢と同様のものでした。歩行時では地面から離れている側の足、また階段を上るときでは体重を受け止めている側の足の垂直負荷が減少して、適応性のあることが観察された。階段を下りるときでは、着地する側の患者の負荷は減少しなかったが、負荷パターンの変化量と非対称性が増加しました。さらに、インプラントのデザインに、一部有意差が認められたのです。 従って、膝人工関節を付け経過の良好であった患者は、歩行と階段での移動では手術した側の負荷は健康な足の対照と同じようにできるのです。インプラントにかかる物理的負荷は高いことがわかったが、これは膝インプラントシミュレーターの負荷試験計画に関しての重要な情報といえます。 現在進めている作業は、この試験の運動力学とEMGの結果を公表することに集中しています。さらに別のグループの患者を対象にこの研究を続けることを計画しています。



歩行に対する装具の効果

装具の試験は、ETHチューリッヒのバイオメカニックス研究所においては、昔ながらの伝統的な試験です。現在次の試験が進行しています。



膝蓋大腿部痛症候群の理論的根拠のバイオメカニクス

150年以上もの間、科学者の興味をひいてきました。スイスでは、25万人以上の人がしばしばランニングをしており、およそ100万人が定期的にしています。一方、このランニングによる怪我がきわめて多く発生しているのも事実です。全症状のおよそ25%は、膝蓋大腿部痛症候群が関係しています。しかしながら、この傷害の病因については解明されていないのです。



目的

この試験の最終目標は、PFPSのあるランナーについて生体力学的評価項目を前向きに調べること、及び疼痛の減少との関連性の可能性についてこれらの項目を試験することにあります。一般には、適応した装具を付けた結果の疼痛の有無を反映する変数を定義して試験をいます。



方法

運動は、3次元運動の解析のできる12台のカメラからなるVicon装置を使って測定します。力学的測定は、4~5回の連続歩行または3回のランニングの一連の力データを集める5個のKistler力点プレートを使って行います。筋肉の活動は、下肢主要筋肉のEMGパターンを表示(Noraxonソフト)できる16チャンネルNeurodata遠隔測定装置を使って捕獲します。その他の測定可能な項目は、頚骨の過剰の内部回転と膝最大屈曲と踵骨の最大外転のタイミングの変化です。およそ20名のPFPS患者を対象に、疼痛のあるときと疼痛が消失したときについて試験を行う予定です。比較のため、試験群と対照群について反復測定を行います。



最初の結果

次の要因、即ち前足対後足のランニングスタイルと性差がこの試験で重要な役割をしていることを最初の結果が示しています。全試験は2年で終了し、一連の学位請求論文と医学論文のための種々の研究テーマが検討されます。 試験は2005年にすでに開始されており、2007年まで続けられました。