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足の機能と形態

根拠

このプロジェクトの根拠は、足の形態(静力学)に基づいた足の運動(動力学)を調べる一般の方法によりますが、 この曖昧な推論についての知識は限られています。即ち、空間足骨運動力学の定量と足関節の三次元の状態をモニタリングする 形態学的評価項目の両方を調べられる非観血的方法がないのです。適切な方法を用いれば、まだ解明されていない足の運動の足の形態に 与える影響について新しい知見が得られるばかりでなく、足根骨の動力学について現在の概念の検証が要求されるようになるかもしれません。



足根骨の動力学についての非観血的測定

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(a) MRイメージングをするときの位置決めと負荷を与える装置です。 体重の半分の負荷を踵の下に軸方向にかけます。
(b) 3D画像にした足根骨のMR画像です。 踵骨(緑色)、立方骨(黄色)、舟状骨(青色)、距骨(赤色)。

このプロジェクトにより、磁気共鳴(MR)イメージングを使った足根関節の回転と足根骨の形態を定量する方法が確立されます。 従って、その手順の中心となる項目に特別な注意を払いました。


最初に、足根骨の動力学を骨の異なる位置を 示す最も近いポイント(ICP)の反復フィットで特に計算すると、高輝度と高解像度の画像を半自動で調整しても データ処理に影響しないことを示しました。共通のビデオ運動解析ができるようにするためにMR画像の異方性空間解像度がICP アルゴリズムの精度に影響を及ぼすことを示した後で、足の回内運動と回外運動に反応した足根関節の回転をMR画像で登録しました。 足の位置決めと軸方向の負荷を同時に行うこの装置は踵骨の可動域が説明できるようになり、その結果全ての足根関節が 回転するようになりました。最後に、異なる被験者の足根関節の動力学を区別するためにはいくらかの回転が必要であることが 反復測定から明らかになりました。



足の機能と形態

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踵骨と関節でつながっている後距骨関節面での関節屈曲解析の図。
(a) グリッドは関節面の2個の最大の寸法に沿ってそれに収まっています。
(b) グリッドの寸法に沿って屈曲の半径を計算しました。

新たに開発されたMR手順を用いて足の運動の足の形態に与える影響を調べました。 最初、ランニングの立脚期開始時の踵骨の運動を基にランナーを分類しました。MRでは、偽静止時足根関節の回転(関節軸配向を含む)は 被験者間で差があったが群間では一定していなかったために、十分な分類ができませんでした。従って、分類はランニングの動態に依存します。 さらに、足根容積と容積の二次モーメント、および足根関節屈曲はいずれもランナーの足の分類に使用した 踵骨の運動の強さに影響していませんでした。三次元測定や精密測定をしても、 形態学的測定項目や偽静止時の関節運動を基に後足の動態の強さを予測することはきわめて限定されるようであると結論されました。 従ってこのプロジェクトの結果は、足の運動が足の形態に依存するという上記の曖昧な記述を裏付けてはいないのです。


足の機能と靭帯の性質

今回のこの試験の結果は、以前に受けた傷害により最初靱帯が硬直し、これによりランニングで着地後の踵骨の運動が増加する ことを示唆しています。従って、後足の動態に関する今後の試験では、骨と関節の形態よりもむしろ関節のメカニズムに関係する他の因子、 特に靱帯の性質に焦点を当てるべきです。適切な方法は開発されたMR手順に頼ることができます。1つの靱帯で例示されたように、 MR手順を使うことで偽静止時、また動的足運動では十分な方法との併用で、靱帯の緊張に関しての知見が得られます。



皮質内ピンを使ってインビボで測定した足の内因性運動

根拠

運動中の足の内因性関節の正確な動態の記述は、
1) 一般のビデオ運動解析では皮膚の動きが混じる、
2) RSAやMRIの検査では2つの静的位置間での事後動態計算である、
3) インビトロ試験では筋力と動力学が欠如しているなど、
主として方法論に制約があるために今までほとんど報告されていませんでした。皮質内ピンの光電気的登録はこのような制約はなく、 歩行時の距腿および距骨下の動態の研究に使用されています(Westbladら, 2002; Arndtら, 2004)。 さらに、ランニングの立脚期の脛踵骨の動態が報告されています(Reinschmidtら, 1997; Stacoffら, 2000)。 しかしながら、後足、中足、前足の骨の間でのインビトロ関節可動域の試験は全く行われていなかったのです。


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足の内因性運動の評価:
(a) 挿入されたマーカー。(b) 同じ被験者のCT:ピンがはっきりと見えます。
(c) CTと運動データを組み合わせたもの:踵を打ったときの矢状図。


目的

このプロジェクトの目的は、歩行とランニング時の種々の運動時における下肢と足の骨の動態を正確に調べることにあります。 収集された総合的データセットは、足の動力学を取り込んだ将来の生体メカニックモデルを採用するときと例えば関節癒着など 臨床での意志決定をするときのためのデータベースに用いられます。これはスウェーデン、ストックホルムのカロリンスカ大学病院 (A. Lundberg, A. Arndt)、英国サルフォード大学機能訓練・リハビリテーションセンター(C. Nester, R. Jones, D. Howard)、 およびETHチューリッヒのバイオメカニックス研究所との国際協力プロジェクトです。


方法

6名の健常ボランティアがこのプロジェクトに参加しました(試験は2007年春まで続きました)。 局所麻酔下でピン(直径1.6 mm)を脛骨、腓骨、踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、中楔状骨と中足骨IとVに挿入しました。 10台のカメラによる運動解析装置を用いて動態データを集め、地面反発力も同時に測定しました。


最初の結果

多重相関係数を計算してピンを挿入したときの運動と挿入しなかったときの運動の関連性の強度を測定したところ、 被験者は挿入したピンによる制約がほとんどないことがわかったのです。距舟関節がかなり動くことがわかりました (例えばランニング時では矢状面、前面、横面でそれぞれ6.5度±2.9度、13.5度±4.1度、8.7度±1.4度)。